警備日報を効率良く管理するには?
警備業は、ほかの業界と同じように「仕事=コミュニケーション」といっても過言ではありません。警備サービスの向上を図るためには、警備スタッフのコミュニケーションを活発にし、業務における必要な事項を共有する必要があります。
そこで、重要な役割を担っているのが警備日報です。警備日報は単なる記録や報告ではなく、管制局を含め、スタッフ同士のコミュニケーションツール、警備改善のための資料にもなるため、警備日報を上手に管理するのが大切です。
今回は、警備日報を効率良く管理する方法について、くわしく解説します。
警備日報とは?
そもそも日報とは、日々の業務について上司に報告する書類のことです。警備業界でも、警備日報といった名称で取り入れている企業も多くあるでしょう。
この警備日報によって、警備スタッフが毎日どのように業務を遂行しているのかを、チームや組織全体で把握することが可能です。そしてチームや組織が警備日報の内容を共有すれば、各警備スタッフの業務に対する意識を統一させ、目標を達成することもできるでしょう。
警備スタッフの業務範囲は広く、警備する対象により注意すべきことや認識しておく点などは、業務によってさまざまです。入れ替わりの多い警備スタッフが警備日報を書くことで、キャリアの浅いスタッフもベテランのスタッフと同じ情報を得ることができます。警備業において警備日報は、業務内容やサービスを均一化するためにも、とても有効なツールといえるでしょう。
警備会社が警備日報を導入する際は、次の3つのことを明確にすることが大切です。
誰が書く?
まず、他の文章を書く際にも言えることですが、大切なことは警備日報を誰が書くかということです。警備会社の場合は、必然的に警備スタッフになるでしょう。実際に警備を行った警備スタッフが業務終了時に、その日にあったことを詳細に記載します。
内容は?
次に、警備日報の内容をどうするかも大切です。その日にあったことを、ただ箇条書きにして終わるというのでは意味がありません。警備スタッフによって書いている内容がバラバラであると、読む人にとってわかりづらいものとなってしまいます。
警備日報を導入する際は、警備スタッフにどのような内容を書くべきなのか、事前に意思の疎通を図り、書いて欲しいことを明確に伝えておくようにしましょう。たとえば、下記の項目を入れておくとわかりやすくなります。
- 氏名
- 担当現場
- 業務の内容
- 課題に思ったことや問題点
- 課題や問題点に対する解決策や改善策
- 今後の目標
このように項目を決めて、毎日、警備スタッフが警備日報をつけると、仕事内容を把握できているのかを確認できるのはもちろんのこと、警備業務を見直すきっかけにもなります。
何のために書く?
そして忘れてはならないのが、何のために書くかということです。警備日報は書いているうちにマンネリ化してしまうケースもあるため、何のために書くかという目的をはっきり示しておかなければ意味がありません。
一般的に警備日報を書く目的として、下記の3つが挙げられます。
まず1つ目は、情報を活用するために書くということです。報告することで、各警備スタッフの抱えている課題や改善すべき点などが見えてくるでしょう。警備日報によって情報を共有すれば、警備会社は、各スタッフの知識量やレベルを把握できます。警備スタッフは、その内容から先輩や同僚のノウハウを共有し、それによって抱えている課題を解決するアイディアを思い付くこともあるでしょう。
次に、警備日報を通じてコミュニケーションを図ることができます。警備業務に限らず、仕事は周囲の人といかにコミュニケーションを図れるかが大切です。警備スタッフの現場やシフトは日々変わり、警備会社が、それぞれのスタッフをいつも見守るというのは不可能です。しかし警備日報があれば、警備会社だけでなく、警備スタッフ同士がコミュニケーションを図ることもできます。日ごろの質問や疑問、抱えている課題などを書いておけば、警備スタッフが互いに問題を解決することにもつながるでしょう。
最後に、警備日報を書くことで警備スタッフの成長を促すことができます。目標を掲げ業務を遂行した後、それらの振り返りと改善を行うといった、いわゆる「PDCAサイクル」を意識することが大切です。
警備日報の管理が大変である理由
警備会社が警備日報を導入する際は、何が大変なのでしょうか。この章では、警備日報の管理が大変である2つの理由を説明します。
毎日、膨大な数の警備日報が提出されるため
実際のところ、毎日、膨大な数の警備日報が提出されるため、物理的に管理が大変なことが挙げられるでしょう。警備会社にとって、警備スタッフは財産ともいえますが、規模が大きければ警備スタッフも多く、提出される警備日報も多くなります。また、派遣する警備先の数が多ければ、さらに提出される数が増え、それが毎日続くと膨大の量になるのです。
もし、紙ベースで提出している企業の場合には、それらの書類を保管するスペースについても考慮しなければなりません。
警備日報の内容をチェックする必要があるため
警備日報の内容を後でチェックする必要があるというのも、大変な理由の1つです。警備会社では、警備スタッフがしっかりと業務を遂行しているのかに加えて、そもそも警備日報の記載不備も確認しなければなりません。また、現在の警備先で、クライアントに報告すべきリスクの有無についても把握し、もし何かあれば速やかに連絡する必要があります。
このように、毎日提出される警備日報は、物理的に処理しなければならない数が多く、質的にもおろそかにできないところが大変なのです。
警備日報を効率良く管理するには?
警備会社にも、警備スタッフにも欠かせない警備日報を効率良く管理するには、何らかの工夫をしなければなりません。そこで、紙ベースではなく、システムで管理するのがおすすめです。
警備業向け管理システムがおすすめ
警備日報を管理するなら、警備業向けの管理システムを導入するとよいでしょう。警備業向け管理システムとは、警備業に関する一連の業務を自動化できるソフトウェアのことです。システムを導入すると、警備スタッフに関する勤怠を管理し、シフトを配置するという基本的な業務から、上番や下番などの報告業務、派遣先となる顧客情報や案件ごとの情報などを全て一括で管理できます。
警備会社の規模によっては、警備日報だけでも膨大なものとなるでしょう。加えて、勤務する警備スタッフは、業務を開始する時に上番報告し、終了時には下番報告を行います。複数の現場・シフトで、大勢の警備スタッフが行う上番・下番報告だけでも手一杯なところで、警備日報をチェックするのは容易なことではありません。紙ベースで管理する場合は、他の従業員や警備スタッフとの情報共有は簡単ではありませんし、それらの資料を保管するためのスペースも必要です。
その点、システムを導入すれば、警備会社の従業員は、自分の机上だけで作業ができます。
警備日報の管理以外に管理システムが役立つ理由
警備日報の管理以外のことも、管理システムを活用するとよいでしょう。ここでは、システムの導入が役立つ3つの理由を説明します。
まず1つ目は、あらゆる業務を自動化できる点です。警備スタッフが勤務する際、警備会社の管制局は、上番・下番報告の電話対応に追われます。最も忙しい時間帯には、内勤者の数を増員しなければならないこともあるでしょう。また、時給や勤務時間が異なる警備スタッフ、月締めや日締めなど締日が異なる顧客、給料の前払いなど、お金に関するさまざまなことも管理する必要があります。特に、締日や日給、時給が異なる案件が複数ある場合は、その給与計算はとても複雑で、手作業の場合はミスが発生しないとも限りません。
システムを導入すれば、電話対応に追われたり、ミスしたりすることなく、全てを自動化できます。しかも、上番・下番報告する警備スタッフも、アプリを使って簡単に報告でき、事前に登録しておけば給与の自動振り込みも可能です。
次にさまざまなコストを削減できることも、警備日報の管理以外に管理システムが役立つ理由の1つです。警備会社では、自社の警備スタッフに関するあらゆる情報を管理する責務があります。履歴書やプロフィールに加えて、勤怠や給与に関する情報、年末調整に関する情報など、社外秘や個人情報に該当する情報を保管しなければなりません。
もし、これらの情報を紙ベースで管理すれば、印字代、書類を保管するファイルや書棚にかかる備品代、それらの書類を管理する際のスペースに係る費用がかかります。情報の重要度によっては、ファイルが社外に持ち出されないよう、セキュリティ対策にかかるコストも必要です。また、紙の場合には、汚損や破損、紛失することも考えられ、それらの修繕費や複製するための費用、人件費などのコストも考慮しなければなりません。
しかし、システムを導入すれば、これらにかかる全てのコストを大きく削減できます。
そして、3つ目の理由は、働きやすい環境を整えられる点です。コロナ禍で働き方も様変わりした昨今、オフィス内外の担当者や関係者との会議やミーティングを控える傾向にあります。テレワーク環境の整備が進められているなか、資料をメールで送信する場合は、データの容量やセキュリティについて十分に考慮しなけれればなりません。資料を送信している間に、現場では情報が更新されているということもあるでしょう。
管理システムを導入すれば、警備会社だけでなく、警備スタッフ、顧客がリアルタイムで情報を共有できます。警備会社の従業員と顧客の担当者が同時にテレワーク中であっても、机の上で最新情報を閲覧することが可能です。また、包括的な情報を確認できるため、思いがけないミスや見落としの発見につながり、別案件の課題や問題点を解決できる可能性もあります。
システムを導入すれば、警備日報への対応を容易にするだけでなく、他業務も一括で自動化でき、コストを削減することに加えて働きやすい環境を整えることができるのです。
警備業向け管理システム「GUARD EXPRESS」
警備会社がシステムを導入する場合は、警備業の基幹業務を一括管理できる警備業向け管理システム「GUARD EXPRESS」をご利用ください。
本サービスには、大きな4つの特徴があります。
まず、スタッフの受注から会計に至るまで、警備会社に必要なあらゆる情報をワントップで管理することが可能です。また、クライアント向け「PARTNER」、警備スタッフ向け「NEO」、新規応募者採用向け「ENTRY」の導入によって、警備会社、顧客、スタッフの業務を連携できます。
質の高いメンテナンスが継続的に行われることも、特徴の1つです。本サービスは品質の向上を目指し、リリースして以来、約1万点の改修や改善、機能拡張を実施しています。それらによって蓄積されたノウハウは、現在の同製品に活用され、変化の激しい警備業界に十分対応することが可能です。もちろん、定期的なメンテナンスが継続されますので、導入後に警備業に関係する法改正がなされた場合も心配ありません。
3つ目の特徴は、有償になりますが、警備会社の業務スタイルに合わせたカスタマイズが可能な点です。しっかりとヒアリングを行い、企業の実情や要望に合わせた最適なサービスを提供できます。
4つ目の特徴は、全国均一の品質サポートです。定期的なアンケートを実施し、品質の向上に取り組んでいることから、日本全国どのエリアからも、ほぼ同一のサービスを受けられます。
GUARD EXPRESS(ガードエクスプレス)の詳細はこちら
警備日報はシステム活用で効率良く管理できる!
警備会社にとって、警備日報は、顧客によりよいサービスを提供するためにも不可欠といえるでしょう。企業規模が大きければ、提出される警備日報の数は膨大なものとなり、日々の業務と並行して内容や提出状況を確認するのは容易ではありません。
しかし、そんな警備日報もシステムを活用すれば、効率良く管理できます。なかには、警備日報に加えて、自社の作業効率を高めてコストを削減し、働きやすい環境を整えることを検討されている企業もいらっしゃるかもしれません。そんな時は、警備業の基幹業務を一括して管理できる警備業向け管理システム「GUARD EXPRESS」の導入をご検討ください。