警備会社の管制管理の問題|課題解決のポイントは?
現場に合わせて警備員の配置を行ったり、上下番を管理したりと、管制管理は警備会社において要の仕事と言ってもいいでしょう。
しかし警備会社の管制管理という仕事に対して、世間では「きつい」「大変」といったマイナスのイメージを持つ人が少なくないようです。実際に警備会社で管制管理に携わっている方も、同じ意見を実感として抱いているかもしれません。
そこで今回は、警備会社の管制管理が抱える問題点に着目し、どのように改善すればいいか、課題解決のポイントについてご紹介していきます。
警備会社の管制管理の問題
管制管理の問題点は主に3つありますが、まず前提として、警備員が年々増加傾向にあるということを頭に入れておかなければなりません。警視庁が発表している事業統計「令和2年における警備業の概況」によれば、令和2年12月末時点の警備員数は58万8364人となっており、前年比では2万人、平成28年と比べると4万人近く増加しています。
警備員が増えれば管制管理の業務数も増加しますが、アナログベースで管理している警備会社や、データを別々の専用ソフトに手入力しているといった警備会社は少なくありません。警備会社のデジタル化が進んでいないことが原因で、管理の手間が膨大になり、問題の発生につながってしまうのです。
それでは、問題点を1つずつ見ていきましょう。
シフト配置の手間が大きい
警備会社の仕事の中でも、警備警備員の配置にかかる手間は大きな負担になっており、毎日のシフト配置に頭を悩ませる管制管理の担当者は少なくありません。警備会社では日勤と夜勤が交代しながら24時間体制で警備を行うケースも多く、現場によって警備員が有しておくべき資格も異なります。
その日の現場に必要な条件を満たし、なおかつ二重配置や過剰労働にならないよう注意しながらシフトを組むだけでなく、現場との距離や勤務量のバランスを考慮する必要もあるでしょう。なぜなら警備員ごとの仕事量に偏りがあったり、交通費の個人負担が多くなったりすることは、モチベーションの低下や離職を招く可能性があるからです。
このように、いくつもの条件に配慮しながら受注した現場の数だけ配置を行わなければならないため、シフト配置は管制管理にとって重要であると共に、大変手間のかかる仕事なのです。
当日の上下番管理、急な欠員対応が大変
警備会社の上下番報告は電話で行う方法が主流のため、出勤・退勤の集中する時間帯は何件もの電話が警備会社の事務所に鳴り響きます。報告がない警備員に対して警備会社はただちに確認の連絡を入れて状況を把握したり、欠員が出た場合はすぐに代わりの警備員を手配したりする必要があります。これらの対応作業も、警備会社の管制管理を大変にしている業務の1つです。
まず上下番の管理ですが、電話で報告を受けながら配置表を確認し、管理表へ手作業で記録している警備会社の場合、1件ずつ対応しなければならないため、すべての管理作業を終えるまでに多くの時間を要します。さらに欠員が出たとなれば、出勤可能な警備員を調べるという手間が発生しますし、連絡がつかない場合や出勤できない可能性も含めて、警備会社は何件も電話をかけなくてはなりません。
その後の受注に影響を及ぼす可能性も考えられるため、欠員対応は警備会社にとって心理的にもハードな業務なのではないでしょうか。
現場でトラブルが起こった際の対応が大変
さまざまなトラブルに迅速に対応しなければならない事も、警備会社の管制管理を大変にしています。
警備会社の仕事は事故や事件を未然に防ぐという目的のもと行われていますが、裏を返せば、常に危険と隣り合わせの仕事であるとも言えます。そのため、警備会社の現場で起こりうるトラブルは通行人や利用者からのクレーム、派遣先での対人トラブルといったもののほか、事件や事故の発生、場合によっては人命に関わるようなトラブルが発生する可能性もゼロではありません。
そのようなトラブルが起きないように警備にあたることが大前提ですが、もしも起こってしまった場合、警備会社はすばやく正確に状況を把握し、然るべき対応を取ることが求められます。警備会社の管制管理は、日々手間のかかる管理業務をこなしながら、いつどんなトラブル報告が飛び込んできても対応しなければならないという大変さを抱えているのです。
警備会社の管制管理の課題を解決するならシステムを活用しよう
管制管理の問題を解決したいと考えているのであれば、ぜひシステムを活用した管制管理を行いましょう。システムを活用して管制管理を行った場合、前述した3つの問題点はどのように解決できるのでしょうか。
まずシステムを使ったシフト配置は、各警備員の稼働状況だけでなく、必要な資格の有無や無理なシフト組みになっていないかといったさまざまな要素をひと目で確認できるため、配置業務の負担を大幅に減らすことができます。
上下番報告をスマホで行える機能が備わったシステムであれば、警備員のスマホから送信された上下番データが直接勤怠データに反映されます。そのため1件1件報告の電話を受けたり、管理表に転記したりといった手間がなく、管理の際のヌケモレや転記ミスを防ぐことができます。
最後にトラブル対応の問題ですが、管制管理におけるトラブル対応はスピードと正確さが求められるため、いち早く解決へ動くことが肝要になります。管制管理の内勤業務をシステムの活用によって自動化できれば、トラブルが発生した際も速やかに対応することができるでしょう。
管制管理を行う担当者の仕事は、巡察や取引先への対応、クレーム処理など、人が直接行わなければならないものも多くあります。忙しい管制管理の仕事を効率よく的確に行うために、自動化できるものとできないものを区別し、自動化できる業務はシステムに任せてみてはいかがでしょうか。
警備会社の管制管理におすすめのシステムの条件とは?
警備会社で管制管理にシステムを活用したい場合、どのようなシステムが最も適しているのでしょうか。管制管理の業務改善のためにシステムを検討する際は、ポイントを押さえて選ぶとかなり選びやすくなります。
ここでは、警備会社の管制管理におすすめの条件をピックアップしましたので、導入検討の際の参考にしてみてください。
警備業の管制業務に精通している
管制管理をシステムで行う場合、警備業の管制業務をすべてカバーできるシステムであることが最も重要です。勤怠管理のみに特化していたり、シフト配置だけを行うシステムだったりすると、同じデータを別々のシステムに入力しなければなりませんし、入力ミスが発生する恐れもあります。これではせっかくシステムを導入しても、管制管理の業務が改善されたとは言えません。
警備会社の管制管理で利用するのであれば、警備会社の基幹業務を一括管理できる包括的なシステムを選びましょう。
警備業法等の法令改正に対応できる
企業では雇用や税務関係など、業務に関係するさまざまな法律に対応しなくてはなりませんが、警備会社の場合はさらに警備業法という法律にも対応する必要があります。法令改正が行われた際は、速やかに各種書類や社内体制を変更する必要があるものの、難しい法律用語や細かなルールが定められた書式の内容を理解するのは、容易なことではありません。
現行の法令に則って書式の内容を更新してくれるシステムであれば、法改正が施行された場合でも安心してシステムを利用することができます。
警備会社・警備員・警備先のスムーズな連携が実現できる
システムを活用することでリアルタイムにデータのやり取りができると、警備会社・警備員・警備先といった3者間の連携がスムーズに行えます。紙ベースの管理や異なるソフトやシステムを利用している場合、「送る」「チェックする」「承認する」といった各段階でタイムロスが生じてしまうのです。
それぞれの間で同じシステムを利用できる、あるいはシステム同士の連携を行うことができれば、このような問題もかんたんに解決可能でしょう。時間の削減ができるだけでなく、警備先が負担している手間の削減にもなるため、顧客満足度の向上につながるといったメリットもあります。
IT知識が少なくても直感的に操作できる
どんなに多機能で優れたシステムであっても、操作に専門的な知識が必要だったり、使い方が複雑なシステムでは、警備会社の管制管理はさらに複雑で大変なものになってしまうでしょう。業務改善のためにシステムを導入するのですから、操作がかんたんでわかりやすく、直感的に扱えるシステムであることが大切です。
また上下番管理にもシステムを活用する場合、警備スタッフ全員が手間なく使えるシステムでなければ、せっかく導入しても活用してもらえない可能性があります。警備業界で活躍している人は年齢もさまざまですし、ITの知識量もそれぞれ異なります。ITが苦手な方や操作に不慣れな方でも使いやすいシステムを導入すれば、警備スタッフにもシステムのメリットが伝わり、活用してもらいやすくなります。
管制管理以外の業務でも活用できる
管制管理に特化しているだけでなく、管制管理以外にも警備会社のあらゆる業務に活かすことができるシステムであれば、さらに業務効率がアップします。
たとえば警備スタッフを新規雇用したい場合の求人や契約業務、警備スタッフの個別情報やスケジュールの管理、給与の支払い業務や請求業務などです。警備スタッフの個別情報やスケジュールを把握していれば、配置の際の判断材料になりますし、毎日の上下番データは給与計算や請求書作成の際に役立ちます。
警備会社で行うあらゆる業務に活用可能なシステムなら、さまざまな場面でデータを活用してスムーズに業務を遂行することができるのです。
クラウドに対応している
警備会社の管制管理を行う際は、クラウドに対応した管理システムがおすすめです。
クラウド型システムの強みは、スマホやパソコンなど、アクセスを許可された端末であればインターネットを通してどこからでもシステムに接続できるという点です。たとえば警備員のスマホを使って、現場から直接システムに上下番のデータを送信することが可能なため、警備会社の管制管理による電話確認や手入力の手間が削減されます。
また警備会社の扱うさまざまな情報を、紙ベースの管理・保管からクラウド上にデジタルデータで管理・保存することでペーパーレスが実現でき、コストカットにつながります。
警備会社の管制管理なら「GUARD EXPRESS」
管制管理の課題解決にシステムの導入を検討している警備会社の方は、「GUARD EXPRESS(ガードエクスプレス)」にお任せください。
GUARD EXPRESSは、警備会社の管制管理におけるあらゆる業務の一括管理を可能にした警備業向けのクラウド型基幹システムです。継続的な改善による品質向上とサポート体制により、法改正にも的確に対応できる確かな実用性と、導入が初めての方でも安心して使えるわかりやすい操作性を兼ね備えたシステムを提供しています。
警備員向けアプリ「GUARD EXPRESS NEO」や、警備会社の取引先向けシステム「GUARD EXPRESS PARTNER」と併用することで、警備会社・警備スタッフ・警備先企業のスムーズな連携が実現できます。募集採用クラウドサービスの「GUARD EXPRESS ENTRY」は、GUARD EXPRESSと連動して、警備員の求人から面接・採用といった新規採用業務も手間なく行えます。
もちろんすべてのサービスをクラウドで行えるため、業務効率も飛躍的にアップします。
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警備会社の管制管理の方法を見直してみましょう
仕事内容がきつくて大変と言われる警備会社の管制管理も、システムを活用した自動化と業務連携によって、問題解決につなげることができます。人の手による確認作業や繰り返しの入力作業は、ミスを誘発する原因になりますし、チェック体制を強化するにも限界があります。
警備会社における管制管理の方法そのものを見直すことで、警備会社の業務効率化が図れるだけでなく、トラブル対応のような人でなければ行えない重要な業務に、しっかりと時間や人員を割くことができるのです。ぜひシステムを活用し、管制管理の課題解決に役立てましょう。