警備会社は下番管理の方法を見直してみませんか?効率の良い下番管理の方法
最近新聞やビジネス誌において「DX(デジタルトランスフォーメーション)」という言葉をしきりに目にするようになりました。DXとは「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念で、主に企業においてIT技術を用いて業務効率化を実現するという場面で使われています。
現在、警備会社において管制業務を行っている方の多くは警備業にDXは無縁だとお考えではありませんか。確かに下番報告を電話で行ったり、勤怠管理や経理計算をエクセルで行っている警備会社がまだまだ多いので、DX化という言葉がぴんと来ないのが現状かもしれません。
しかし管制業務はDX化することが可能であり、特に管制にとって大きな負担である下番管理は圧倒的な効率化を図れます。本記事では、現在の警備会社における下番管理の方法を見直し、効率の良い下番管理を導入する方法、DX化を進めるためのシステムについてお伝えします。
警備会社のよくある下番管理における問題
警備会社での下番管理の悩みはいろいろなものがあると思いますが、ここでは次の4つの問題について取り上げます。
警備員からの下番報告が同一時刻に重なる
1つ目の下番報告での問題は、警備員から下番を報告する時刻が、同一時刻に重なるという問題です。
警備会社では各警備員がそれぞれの現場に赴いて警備業務を行います。そのため一般的な企業のように、タイムカードによって出勤時間や退勤時間を記録したり、管理職が直接部下と顔を合わせてマネジメントしたりすることができません。
多くの警備会社では内勤者である管制官が、電話やメールなどのツールを介して勤怠管理をしているのではないでしょうか。警備業務の開始前に管制官に電話で上番報告を行い、警備業務が終了したら同じく電話で下番の報告を行うという方式です。
しかし警備員からの下番報告の時刻は、他の現場の警備員からの下番報告の時刻とも重なることが多く、管制への電話が混雑しがちです。さらにシフト交代がある場合には、下番報告の時刻に、次の時間帯の上番報告の電話が重なることもあるでしょう。
警備員から下番の報告がない
2つ目の下番管理での問題は、警備員からの下番の報告がないという問題です。
これにはいくつかの理由が考えられます。例えば警備会社によっては下番報告があいまいで、電話をせずに直帰しても特にとがめられない社風のところもあるようです。そのような警備会社にいた警備員が転職してきた場合、下番を報告することの重要性を認識しておらず、報告をしないという可能性があります。
また1つ目の問題とも関わりますが、上下番報告の時間帯が重なるピーク時間帯は電話がなかなかつながらないため、何度かかけてつながらないと諦めてしまうというケースもあります。このような場合、管制官は下番報告のない警備員に電話をかけて状況を確認する必要があり、業務がさらに増えることになってしまいます。
下番の時刻データの転記ミス
3つ目の下番管理での問題は、下番の時刻データの転記ミスという問題です。
下番の時刻データは、警備員の給与計算をする上で欠かせない重要なデータです。上述したように管制官が電話で下番の報告を受けている場合、その時間帯はピーク時間帯となり業務が集中するので、時刻を転記する際にミスが起こることがあります。さらに勤怠管理表の下番報告時刻を、給与計算システムのエクセルやシステムに入力する際に、転記ミスが発生することもあるでしょう。
転記ミスした下番時刻で給与計算した場合、警備員は働いた時間分の給与を受け取れなかったり、逆に多く支払うことで企業側が損害を受けたりする可能性も否めません。さらに問題となるのは、給与計算のミス、つまり金銭面のミスが警備会社への信頼を大きく揺るがしかねないという点です。金銭面にルーズであるとの烙印を押されてしまい、警備員からの信頼を失って離職者が増えたり、トラブルになったりすることも考えられます。
下番の時刻から勤務時間を計算する際のミス
最後に挙げる下番管理での問題は、下番の時刻から勤務時間を計算する際のミスが起こるという問題です。
警備会社にはさまざまな雇用形態の警備員が働いており、人によって給与計算の方法が異なります。警備会社では深夜や早朝といった時間帯に業務があることは珍しくなく、割増が発生するケースもあります。また階級によって給与が異なったり、警備関連の国家資格を持っていれば資格手当を計算する必要があるのも特徴の一つです。
したがって下番時刻が深夜や早朝になった場合には、警備員個人の雇用形態に応じた時給に加えて割増分を計算しなくてはならなかったり、資格手当や階級によって計算をする必要があったりするため複雑を極めるのでミスが発生しやすくなります。
下番報告は警備会社向け管理システムを活用しよう
このように警備会社での下番管理では、業務に関わる「人」が原因となって発生する問題が多いことが分かりました。これは業務にあたる「人」が問題なのではなく、人間が介在する以上どうしても一定数のヒューマンエラーは起こり得るものなのです。
そんな下番報告の問題を解決するのにおすすめなのが「警備会社向け管理システム」です。
ただし警備会社向け管理システムと一言で言っても、いろいろな種類があります。例えば警備会社の業務に特化した勤怠管理システムを指す場合もありますし、勤怠管理や給与計算まであらゆる業務を網羅した基幹システムを指す場合もあります。
いずれにしても、人が行っていた業務をシステムに置き換えて行うことで、ヒューマンエラーを極限まで減らすことが可能になるのがポイントです。
下番報告を警備会社向け管理システムで行うメリット
それでは下番報告を始めとする下番管理を警備会社向け管理システムで行うと、具体的にどのようなメリットがもたらされるのでしょうか。
下番報告の対応を効率化する
1つ目のメリットは、下番報告の対応が効率化されるということです。
警備会社向け管理システムでは、下番報告を管制へ直接電話をすることなく、システム上で行うことができます。システムによって下番報告の方法は異なりますが、スマートフォンのアプリで打刻をしたり、配信されたメールのURLをタップしてメール打刻したり、自動応答の専用電話に電話をかけたり、などの方法が挙げられます。
下番報告にシステムを使うと、管制官の業務の負担は大きく軽減できます。下番報告の時間帯はシステムをチェックしていればよく、下番報告がない警備員にのみフォローの電話をかければよいので、その他の業務に集中でき、そちらでのミスも減らすことができるでしょう。
勤務時間・給与計算までを自動化
2つ目のメリットは、勤務時間・給与計算までを自動化できるということです。
今までは電話で受けた下番報告の時刻を勤怠管理表に転記したり、エクセルやシステムに入力する必要がありました。場合によっては、さらにその勤怠管理表を基にエクセルなどで給与計算をしたり、給与計算システムに再入力したりする手間もありました。しかし警備会社向けの管理システムの中でも、業務全体を網羅したシステムを導入すれば、下番報告から勤務時間の把握、給与計算まですべての業務が自動化できます。
例えば警備員がアプリで打刻した上下番報告の時刻をもとに、システムで自動的に勤怠管理表が作成されます。さらにあらかじめ警備員それぞれの雇用形態に応じた情報、それぞれの警備員の階級や資格なども入力しておけば、それらのデータをもとにして下番報告の時刻などからシステムが給与を自動計算してくれるのです。自動計算なので正しい情報が入力されていれば、ヒューマンエラーのような計算ミスは発生しません。
警備会社向け管理システムの選び方
ここまでお読みいただき、警備会社向け管理システムを活用すれば、現在の下番管理において発生している問題を解決し、業務をより効率化するということがお分かりいただけたのではないでしょうか。
しかし実際に警備会社向け管理システムを選ぶとなると、どのようなシステムが自社にとって適しているのか悩まれる方も多いでしょう。そこで本章では、警備会社向け管理システムを失敗せずに選ぶ方法についてまとめます。
下番管理以外のあらゆる管理機能を持つものを選ぶ
警備会社向け管理システムを選ぶ際は、下番管理だけでなく、警備会社での業務に関してあらゆる管理機能を持っているものがおすすめです。
警備会社向け管理システムを導入するメリットの2つ目で挙げたように、システムを活用すれば勤怠管理から給与計算までもが自動化され、業務が大幅に効率化します。せっかくシステムを導入するのであれば、下番報告の手間を省けるという機能だけでなく、勤怠管理や給与計算を始めとするあらゆる管理機能を持つシステムを導入して業務を効率化した方がコストパフォーマンスが良いと言えるからです。
クラウドに対応したものを選ぶ
警備会社向け管理システムの種類として大きく分けてオンプレミス型とクラウド型という2つのタイプがありますが、これから管理システムを選ぶのであれば、クラウドに対応したシステムを選ぶことをおすすめします。
クラウド型システムのメリットはデータがクラウド上に保存されるため、自社でサーバーを準備するなどのコストや手間がかからないことです。またクラウド型システムであれば、どこからでもデータにアクセスできるため、働き方改革や感染症対策で導入の広がっているリモートワークにも対応できます。
警備業法などの法改正に対応したものを選ぶ
警備会社向け管理システムを選ぶ際に見逃して欲しくない点が、警備業法などの法改正に対応したものを選ぶということです。
毎年さまざまな法令が改正されており、警備会社にとっても無縁でありません。例えば働き方改革関連で給与計算の根拠となる法令が改正されれば、当然システムも法改正に対応する必要があります。また警備業法においては、2019年に警備員教育についてeラーニングを認めるなど大きな改正がありましたが、システムが法改正に対応していないと警備員の教育状況についてきちんと把握することができません。法に則った給与計算や教育ができていないことが判明すれば、従業員や顧客からの信頼を失い、受注に影響することもありますし、警備会社の株価に影響する可能性もあります。
システムが法改正に対応しているかチェックすることは非常に重要なポイントであると言えるでしょう。
警備会社の下番管理なら「GUARD EXPRESS」
警備会社向け管理システムによる下番管理をお考えの方は「GUARD EXPRESS(ガードエクスプレス)」をご検討ください。ガードエクスプレスは初めて管理システムを導入する企業や今までエクセルや業務ごとにバラバラに分かれたシステムを利用していた企業にとって、特におすすめのシステムです。上記で挙げた「警備会社向け管理システムの選び方」のポイントに沿ってご説明します。
◆下番管理以外のあらゆる管理機能を持つものを選ぶ
ガードエクスプレスは警備会社の基幹業務に対応したオールインワンシステムで、すべての情報を一元管理できます。付帯システムも利用すれば、警備員の新規採用の段階から、顧客への請求に至るまであらゆる業務がガードエクスプレスのシステム一つで完結します。警備員情報、案件管理、管制、勤怠管理、給与計算や年末調整、登録者へのメッセージの一斉配信や個別のメッセージのやりとりまで、ガードエクスプレスでは警備会社で必要なあらゆる管理機能を網羅しています。
◆クラウドに対応したものを選ぶ
ガードエクスプレスは、クラウド型に対応した管理システムです。内勤者だけでなく、警備員や顧客も含めいつでもどこからでも情報にアクセスでき、複数人が同一データの同時入力をしたり、同時参照することもできるので業務が効率化できます。DB.CLOUDのデータセンターに保管された情報は、強固なセキュリティで守られ、個人情報は暗号化した上で保存されます。データセンターは停電や災害などへの対策も万全です。
◆警備業法などの法改正に対応したものを選ぶ
ガードエクスプレスでは保守の範囲内で法令改正に対応しています。警備会社側で法改正に伴う個別の対応は基本的に必要ありませんし、保守の中での法令改正に追加費用はかかりません。
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警備会社は下番管理の方法を今こそ見直してみましょう
冒頭で申し上げたように、多くの企業でDX化が進んでいます。警備会社の業務の多くは、システムの導入でDX化を進めれば業務が効率化し、管制業務に携わる内勤者をより働きやすくしてくれます。今こそ下番管理の方法に始まるさまざまな業務の管理について、見直してみてはいかがでしょうか。