需要急増!警備業で給与前払い対応するメリットや効率化する方法もご紹介
警備業界において警備員の管理や採用活動に携わっている方の多くが、警備業界の人材不足に悩まれてるのではないでしょうか。
昨今の社会情勢の変化や治安の悪化などにより、日本における警備業への期待は高まっており、警備員や警備会社の登録数は年々増加しています。
その反面、現場の警備員不足は深刻です。
もし警備員の求人で一つ明るい話題があるとすれば、それは「給与前払い」というキーワードへの反応の良さです。
本記事では最近需要が急増している「給与前払い」に対応するメリットやデメリット、給与前払いを効率化する方法をご紹介します。
給与前払いを導入することで警備業の人材不足を少しでも改善しようとお考えのご担当者はぜひご一読ください。
そもそも給与前払い(即日払い)とは
給与前払いとは、給与の支払い日より前までに働いた分の給与を、先払いとしてもらうことができるサービスのことです。
普通であれば、実際に働いた実績があったとしても給料日前にその分の給与を受け取ることはできません。
給与前払いは給料日前であっても、そこまで働いた分の給与の中から、一定の割合の金額を前払いしてもらえるので、急な出費が必要になった従業員にとってありがたいサービスとなります。
法的に認められている?
そもそも給与前払いは法的に認められているのでしょうか。
結論から言えば、給与前払いの法的根拠は労働基準法第25条にあり、条件付きで認められています。
労働基準法第25条では、「非常時に限り」「従業員からの申請があれば」という条件付きで、「支払期日前であっても、既往の労働に対する賃金を支払わなければならない」と定めています。
「非常時」については労働基準法施行規則第9条において定められており、出産や疾病、災害、結婚や死亡などの事由が書かれています。
ちなみに給与前払いについては、既に働いた分の給与が対象となり、これから働く分の給与は労働基準法第17条で禁じられているため対象外となることに注意しましょう。
賃金の支払いについては、労働基準法第24条において賃金支払いの5原則が定められています。
これは通貨払い、直接払い、全額払い、月1回以上支払い、一定期日払いの5つです。
給与前払いの制度を取り入れる場合には、この5原則を守ることも大前提となります。
例えば後述するように第三者の会社が提供する給与前払いサービスを利用する場合では預託型と立替型という方法があるのですが、立替型の場合には貸金業登録をしていないと違法性があるのではという指摘があります。
いずれにしても法的に認められている部分と、違法性が指摘されている部分をきちんと把握し、自社においては適法性のある運用ができるようによく検討しなければなりません。
警備業をはじめ需要高まる
ところでなぜ警備業を始めとする業界において、給与前払いの需要が高まっているのでしょうか。
さまざまな理由が考えられますが、大きな要因として警備業では特に非正規雇用の警備員が多いということが挙げられます。
そもそも警備業界はアルバイトや派遣社員のような非正規雇用での働き方をする人が多い業界です。
そのため日払いや週払いといった給与の支払い方法は昔からおこなわれてきています。
それに輪をかけて、この数年はコロナ禍で経済的に困窮する人が増加し、例えば飲食店勤務の人が本業の仕事を失い、副業として警備員を始めるという例も珍しくありません。
このように経済的に深刻な事情を抱えている人は資金繰りが切迫している場合が多いので、給与前払いへの需要が高まります。
コロナ禍と警備業の特殊性から、特に給与前払いへの需要が高まっていると言えるでしょう。
警備業で給与前払い対応するメリット・デメリット
前述したように警備業において給与前払いへの需要が高まっているのであれば、企業側が給与前払い対応を考える必要がありますが、導入に伴うメリットやデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
警備業で給与前払い対応するメリット
警備会社が給与前払い対応するメリットには、大きく分けて次の3つが挙げられます。
1.従業員の満足度が上がり、定着率の向上につながる
給与前払い対応することで、従業員は給料日を待たなくても自分が働いた分の給与を受け取ることができます。
資金を柔軟に使うことができるため従業員の満足度が上がり、その警備会社にずっと勤めようと考えるので定着率が上がります。
警備会社としては人材確保が難しい中、経験を積んだ警備員が流出せずに自社に定着してくれるのでメリットがあります。
2.若手の求人募集に有効である
特に経済的に困っておりすぐにお金が欲しいという若手には、「給与前払い」というキーワードは刺さります。
求人広告内で「給与前払い」というキーワードで訴求することで、体力勝負となる警備員の募集で若手の人材を集められるのがメリットです。
3.結果的に採用コスト削減につながる
上記の1と2からおわかりのように、求人に苦戦する中でも「給与前払い」を採用することによって、若手の従業員を確保し、さらに定着率をアップさせることができます。
その結果、たくさんのネット広告を打ったり登録会社に多額の費用を支払ったりしなくても採用ができれば、それだけ採用コストを削減できるというメリットにつながります。
警備業で給与前払い対応するデメリット
一方、警備業で給与前払い対応するデメリットは次の2つが挙げられます。
1.都度手間がかかる
従業員から給与前払いの申請があるたびに事務手続きをおこなわなければならないので、その都度手間がかかることがデメリットとなります。
当然、事務処理の工数だけ人件費のコストが上がることにもつながります。
2.会計処理が複雑になる
給料日以外の日に前払いの会計処理をしなけばならなかったり、給与計算対象の期間内に給与前払いした分の金額を差し引いて残額を給料日に支払わなければならなかったりします。
会計処理が複雑になり、人的ミスの発生も懸念されるため企業側にとってはデメリットとなります。
警備業で給与前払いを効率化する方法
このように人材不足にあえぐ警備会社にとっては給与前払い対応するメリットは大きいと言える一方、手間や会計処理といったデメリットがある点も見逃せません。
これらのデメリットを解消し、警備業で給与前払いを効率化するための方法を2つご紹介します。
給与前払いサービスを利用する
1つめの方法は、外部の会社が提供する給与前払いサービスを利用して効率化する方法です。
このサービスには大きく分けて2つの仕組みがあります。
1つは「立替型」と呼ばれる仕組みで、給与前払いサービス会社が利用会社の代わりに給与を立て替えて従業員に支払うという方法です。
もう1つは「預託金型」と呼ばれる仕組みで、あらかじめ利用会社が給与前払い会社に資金を預託しておき、従業員がATMを利用して給与前払い分の金額を引き出せるという方法です。
警備会社で給与前払いサービスを導入する場合には、この2つの仕組みのどちらを採用するのかをまず検討する必要があるでしょう。
そのほか、導入コストやランニングコスト、システムのセキュリティ、自社で既に使っている勤怠管理システムとスムーズに連携ができるのかなども検討しなくてはなりません。
提携している銀行が多いか、銀行のATM数なども比較しましょう。
せっかく給与前払いサービスを導入したのに提携している銀行が少なければ、わざわざその銀行の口座を開設しなければならなかったり、近くにATMがなかったりしてしまい、警備員にとっては使い勝手の悪いサービスとなります。
その結果、使われない福利厚生となってしまえば採用コストの削減など企業側が得られたメリットも失うことになるでしょう。
ところで本記事の冒頭では給与前払いの法的根拠について解説しました。
福利厚生サービスを導入したことで、法的リスクを抱えてしまっては本末転倒ですよね。
給与前払いサービス会社を利用する場合には、法律を遵守したサービスを提供している企業なのかどうかを法務部門などとも相談し、よく検討した上で導入することをおすすめします。
警備業向け管理システムを導入する
2つめの効率化の方法は、警備業向け管理システムを導入して効率化するという方法です。
警備業向け管理システムとは、文字通り警備業に特化した業務管理システムのことで、給与前払い業務の効率化を推進できるものがあります。
勤怠管理システムや会計システムなど業務ごとにわかれた管理システムもあれば、いくつかの業務をすべて一つのシステムで管理できるオールインワンパッケージ型のものもあります。
オールインワンパッケージの警備業向け管理システムで給与前払いもおこなえれば、勤怠管理システムや会計システムとの連携を考えなくてもいいので、大変便利です。
実際の勤務実績から給与前払いの手続き、給料日に支払う残額の会計処理などもすべてシステムが自動計算してくれるので手間を圧倒的に省けます。
システムの導入方法として、従来は自社施設に設けたサーバにシステムを導入して運営するいわゆるオンプレミスと呼ばれるものが主流でしたが、現在はクラウド型のシステムが増加しています。
クラウド型システムは、オンプレミス型と比べて導入の初期費用やサーバの管理費用などのランニングコストを大幅に抑えることができます。
また最近では働き方改革や新型コロナウイルス感染拡大を防止する目的などから、リモートワークを推進する企業が増えていますよね。
クラウド型システムはリモートワークがしやすいという点でも注目されているのでこれから導入を検討する場合にはメリットが多いのではないでしょうか。
警備業の給与前払いならGUARD EXPRESS
警備業で給与前払いを導入するのであれば、ぜひクラウド型システムのGUARD EXPRESS(ガードエクスプレス)をご検討ください。
ガードエクスプレスは警備業の基幹業務に対応しているオールインワンシステムです。
警備員の情報管理から、案件管理、勤怠管理、会計処理、シフトの申請や照会に至るまで警備業におけるあらゆる情報をクラウドで一元管理できます。
ガードエクスプレスでは付帯システムのNEO(ネオ)を利用すると、警備員が自分のスマートフォンなどのアプリからシステムにアクセスすることが可能です。
例えば上下番報告のような勤怠管理を電話報告ではなく、アプリからの打刻でおこなえたり、シフトの申請や照会もアプリ上からいつでも確認したりすることもできます。
給与前払いについても警備員はNEOを通して申請することができ、警備会社の管理者は自社の給与前払いの運用ルールに基づいて柔軟に承認・不承認の決済を判断できるのです。
ガードエクスプレスで特に画期的なのは、「リアルタイム給与前払24」というFin Techサービスです。
このサービスは警備員がNEOで給与前払いの仮払い申請が決済され、リアルタイムで即時に振込が完了します。
対象となるのは勤務実績が承認されたもののみとなり、仮払金額の割合も御社で自由に設定できるので安心です。
従来の前払いシステムは、NEOで前払い申請をすると警備会社の内勤者が仮払い処理や吟行へのファイル送信などの事務処理をした後に、銀行が平日の営業時間内に振込手続きを実施するので、実際に警備員が現金を引きだせるのは銀行が手続きをした翌営業日となっていました。
リアルタイム給与前払24であれば、申請と同時に24時間365日、深夜は土日祝、年末年始などに関係なく全国のセブン銀行に着金となるため、警備員は好きなときに最寄りのセブンイレブンなどのコンビニから現金を引き出せます。
ガードエクスプレスを導入することで、セブン銀行とガードエクスプレスが連携して実現した「リアルタイム給与前払24」のサービスを、求人広告の訴求ポイントとして掲載することができるのも強みです。
求人活動においては応募者の確保につながる上、すでに御社で働く警備員の満足度が上がるので離職を防ぐことができ、定着率を高めることにもつながります。
内勤者の手間も大幅に削減できるため、内勤者の定着率も高まりますし、業務負担の軽減や人件費の削減にも貢献するでしょう。
まとめ
警備会社における給与前払いについてご紹介しました。
給与前払いサービスを導入するという方法もありますが、今の業務全体の効率化をはかり、なおかつリアルタイムでの給与前払いのような画期的なサービスを導入するという面から、ぜひガードエクスプレスの導入をご検討ください。
コロナ禍で特に需要の高まっている給与前払いのサービスを御社でも提供できるようにし、競合他社に圧倒的な差をつけ、御社の警備員の満足度を上げていけるといいですね。