下番報告の管理が必要な理由と管理のポイント
警備スタッフの勤怠管理に欠かせない上番・下番報告ですが、管理する側にとっては大変だと感じる業務の1つでしょう。
警備会社は上番・下番の連絡時間が定められているケースも多く、その間は現場の警備スタッフからの電話が次々に鳴り響きます。それらに1件1件対応し、なおかつ管理表に書き込んだり管理ソフトに打ち込んだりしなくてはなりません。
そもそも多忙になりやすい警備の管理業務において、このような報告の管理がなぜ必要なのか、疑問に感じたことはないでしょうか。もしも報告管理をスムーズに行える方法があるなら、ぜひ知りたいと思う方も少なくないでしょう。
そこで今回は警備会社の管理業務のうち、下番報告の管理についてご紹介していきます。
下番報告の管理が必要な理由
警備スタッフが遅刻や欠勤になった場合、すぐに他の警備スタッフを手配しなくてはならないため、「これから現場へ向かいます」と連絡する出発報告や「勤務を開始します」と告げる上番報告を管理することは大変重要な業務です。
一方、下番報告は勤務が終わったことを管制側に知らせる目的で行われていますが、下番は報告を受けさえすればよいかというと、もちろんそんなことはなく、下番の報告を管理することもとても大切な業務の1つです。
ここでは下番報告の管理が必要な理由を、改めて整理してご紹介します。
勤務時間の計算、給与計算に必要なため
警備スタッフは直接現場へ向かって勤務し、勤務が終われば直接帰宅する直行直帰のスタイルがほとんどのため、出勤と退勤をその都度会社へ伝えます。下番の報告を受ける担当者は、下番の予定時刻と警備スタッフからの報告を照らし合わせ、時間内に連絡が来たかどうかをチェックします。また下番報告を記録しておくことで、上番時刻の記録とあわせて勤務時間を計算し給与を算出します。
つまり下番報告をきちんと記録して管理しておかなければ、正確な退勤時間がわからないため、業務に支障が出てしまうのです。
警備業は他の職種のように毎日決まった時間帯での8時間勤務とは限りませんし、警備の種類や配置先の現場、繁忙期などでも、勤務体制はさまざまに変化する上、勤務する時間帯で基本給が異なります。そのため下番報告の管理は、警備スタッフそれぞれの多様な勤務時間を正確に把握し、適切に給与を算出するという重要な役割を持っているのです。
トラブルなくシフトが終わったことを確認するため
管制の担当者は下番報告を受けることで、警備スタッフが滞りなく勤務し、無事に勤務を終了したことを確認できます。下番報告が来なければ、管制側は不測の事態や事故といったトラブルの可能性を考えます。
単に現場の警備スタッフが連絡を忘れているなら、スタッフ本人への注意だけで済みますが、もし事故やトラブルが発生しているために下番報告が遅れている場合、管制側は迅速な対応を求められます。例えば次の勤務に支障が出るようなケガや事故などが起きた際は、急遽別の警備スタッフを手配する段取りを組まなくてはなりません。
もし下番報告が適切に管理されていなければ、そのような緊急事態であってもどの警備スタッフが手配可能なのかわからず対応の遅れにも繋がりかねないでしょう。日頃から下番報告をきちんと受け管理することで、現場で何かトラブルが起こってしまった際にも速やかに対処することができるのです。
違法な残業を防ぐため
下番報告の管理を行う理由は、現場で違法な残業が行われないように防ぐという意図も含んでいます。
警備の仕事は昼間稼働する日勤と、夜間に稼働する夜勤がありますが、シフトは日勤と夜勤をランダムに組まれることも多く、きちんとシフト管理を行っていなければ、実は違法な長時間労働をさせていた、ということになりかねません。さらに警備業では労働基準法の「1日8時間」「週に40時間」に当てはまらない「監視業務」と「継続的労働」という2つのケースや、「変形労働時間制」という特殊な制度を採用しているケースもあります。
しかしこの制度を悪用し、警備スタッフに無理な長時間勤務をさせたり、残業代を支払わないといった悪質な警備会社が存在することも確かです。そのような違法な残業を行わせないよう、下番報告をきちんと管理して警備スタッフの勤務実態を把握しておくことが大切です。
下番報告を管理する際のポイント
警備スタッフの勤務状況を正しく管理し、人員配置やトラブルへの対処をスムーズに行うために、管制室はどのような管理方法を取るべきでしょうか。ここでは下番報告の管理を行うための2つのポイントをご紹介します。
警備員にとって下番報告が楽な方法がおすすめ
下番報告をしっかり管理するためにも、まず日々の下番報告そのものを警備スタッフに忘れず行ってもらわなければなりません。
しかし管理の担当者だけでなく、電話での連絡を負担に感じている警備スタッフは少なくないようです。警備会社によって異なりますが、上番・下番に加え、起床時・出発前・出発時と細かく報告を行うことをスタッフに定めている会社も多く存在します。そのため電話代がかさんでしまうことも警備スタッフにとっては負担に感じる一因となっています。
他にも、交通機関の遅延などでやむなく遅刻してしまう場合や、慣れない道に迷ってしまって現場にたどり着けない場合など、一刻も早く管制室と連絡を取りたい時さえ電話が繋がらないといった問題も抱えており、業務遂行の大きな妨げになっていると言えるでしょう。
そのため下番の連絡は、すべての警備スタッフがストレスに感じることなく、すんなり行えるように、できるだけシンプルで楽なやり方を採用することがポイントです。
電話に代わる連絡手段と言えばメールでのやりとりが思い浮かびますが、携帯やスマホで文字を打つのは意外と手間なものです。また幅広い年齢層が現役で活躍する警備の現場では、メールはあまり得意ではないという方もいます。
例えば「下番報告のボタンを押す」「下番時刻を入力する」といったように、文章を打つ必要がなく複雑な手順のないやり方であれば、スマホの操作が苦手な方でも簡単に下番報告が行えますし、電話と比べても管制側に繋がるまでの待ち時間がなく、すぐに報告を終えることができます。
勤務時間や給与の計算が自動化できる方法がおすすめ
警備業では日勤に当たる時間に勤務が始まり途中から夜勤の時間帯に入る、あるいはその逆のケースもあり、単純に「この日は日勤、この日は夜勤」で計算することができません。残業が発生していれば残業時間と残業代の計算をしなければなりませんし、アルバイトは日払い・正社員は月払いなど、締日や支給日がスタッフによって異なるケースもあります。加えて、賞与や有休の計算、各種保険、年末調整なども関係してくるため、勤務時間の計算や給与の計算はより複雑になります。
そこで下番報告の管理を行う際は、同時に勤務時間や給与を自動で計算してくれるシステムがおすすめです。
エクセルなどの表計算ソフトでも、計算式をあらかじめ入力しておけばある程度は自動で計算してくれますが、制度の変更や法改正など何か計算方法が変わった場合の対応が大変です。またどこか1つでも計算式が間違っていればエラーになってしまいますし、転記したデータが間違っていても正しい数値を得ることができません。
自動で計算してくれることに加えて上番・下番の入力データが他の管理データにも活用できたり、計算方法に変更があった場合も、簡単な操作だけで変更可能な機能が備わっていたりするシステムであれば、より便利に運用することが可能です。
下番報告を簡単にする警備業向け基幹システム
下番報告をしっかり管理することが重要である理由をお伝えしてきましたが、上・下番を伝える電話が重なると1つ1つの対応に遅れが出てしまうのも事実です。ここでは、そのような業務の遅れを解消し、スタッフの不満軽減にも役立つ警備業向け基幹システムをご紹介していきます。
警備業向け基幹システムとは
基幹システムとは、事業を行う上で根幹となる請求・会計業務、販売業務、取引先などの顧客情報や従業員の勤怠管理、人事や給与といった業務を行うためのシステムを言いますが、当然、業種によって必要な基幹システムは異なります。
警備業向けの基幹システムとは、警備スタッフの配置業務はもちろん、警備員の上下番の管理から給与計算まで、一連の業務をワンストップで行える上、警備を依頼してくる顧客のさまざまな情報も一括で管理するものです。
警備業向け基幹システムのメリット
警備の仕事に特化した基幹システムは、先ほどお伝えした通り警備業における管制業務を連動させ一元管理できるといったメリットがあります。
例えばシフト管理と給与計算を別々の管理ソフトを利用して行う場合、チェック作業や入力作業が重複してしまい、無駄な業務が多くなってしまいます。さらに上・下番の報告実績や顧客情報を確認しながら、漏れや抜けがないか、締日や請求金額に間違いがないかなどもチェックしなければなりません。
このようにいくつものデータがバラバラに管理されていると、転記間違いや確認漏れといったミスも生じやすくなるでしょう。警備業専用の基幹システムを使って、複数のデータを管理すれば、スタッフ情報と連動して人員配置やシフト管理が行えるほか、実績データから給与を算出することや顧客情報とあわせて請求書を作成することも簡単です。
またこのような基幹システムを利用することで、電話をしなくても下番の報告が行えるというメリットもあります。
その上、下番報告が実績データとして蓄積されるため、勤怠管理や給与計算の際のデータ活用も簡単で、再入力の作業をカットできます。
下番報告の管理なら「GUARD EXPRESS(ガードエクスプレス)」
「上・下番の連絡が立て込み、スムーズな勤怠管理ができない」「勤怠管理システムに入力する手間を削減したい」とお悩みの方は、ぜひ「GUARD EXPRESS」の導入をご検討ください。
「GUARD EXPRESS」は、警備スタッフ用アプリケーション「GUARD EXPRESS NEO(ガードエクスプレス ネオ)」と連携し、スムーズに下番報告の管理を行うことが可能です。警備スタッフから申請された勤怠時間をクリック操作だけで「GUARD EXPRESS」の管理画面に取り込むことができるため、1つ1つ手入力するといった手間がかかりません。警備スタッフにとっても「GUARD EXPRESS NEO」のアプリ上で上番・下番時刻が申請できることで、「なかなか電話が繋がらない」「毎月の電話代がかさむ」といった悩みが解消されるでしょう。
「GUARD EXPRESS NEO」は、スマホで撮った画像を添付して申請できる「勤怠画像申請」が備わっており、配置先で記入する勤怠表やタイムカード、配置先のサイン(捺印)などを管制室の担当者に簡単に送れます。送られた画像は「GUARD EXPRESS」の勤怠入力画面を開くと別ウィンドウに自動表示されるため、申請された勤怠時間と見比べながらチェックする際に便利です。
その他にも、配置先からの勤怠承認がシステム上で行える「GUARD EXPRESS PARTNER(ガードエクスプレス パートナー)」や、「GUARD EXPRESS AGENCY(ガードエクスプレス エージェンシー)」で報告忘れを防ぐなど、さまざまなサービスを組み合わせることでより精度の高い管理体制を実現できるでしょう。
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システムを活用して下番報告を管理しよう
警備の仕事は24時間体制の上、365日休まず続くため、下番報告の対応だけに手を取られているわけにもいきません。メールやFAXを使っている場合でも、管理ソフトへのデータ入力はスタッフが手作業で行うため、やはり時間と手間がかかります。
今回ご紹介したようなシステムを採り入れることで、下番報告に関わる管理の仕事を手間のないものに変え、円滑な管理体制を作ることができるでしょう。また管制の仕事に限らず、警備スタッフの下番報告もシステムに直結させることで、すべてのスタッフの手間と負担を軽減させることができます。
ぜひこの機会に警備業向けの特化型基幹システムを採用し、下番の報告管理をストレスのないものにしてみてはいかがでしょうか。