警備業の給与管理を効率化する方法とは?従業員の勤怠管理等もできるツールをご紹介
従業員の給与管理は各種手当や控除、保険や税金などが絡む複雑な業務ですが、勤怠データと照らし合わせる必要があるなど、チェック作業も多く発生します。
当然、支払いの遅れや計算間違いがあってはなりません。
エクセルなどを使って給与の管理を行っている場合でも、従業員が多くなればその分手間も増えるため、あまり効率がよくないと感じている管理担当者も少なくないでしょう。
そこで今回は、警備業の給与管理を効率化するための方法についてご紹介します。
警備業は給与管理が大変!
警備員の給与は隊員ごとに異なるため、一般的な企業に比べて、警備業は給与の管理も大変になりやすい職種と言っていいでしょう。
正社員や契約社員・派遣社員、またアルバイトといった雇用形態が異なる場合だけでなく、警備会社によっては階級制度を設けているケースもあり、それぞれ給与が異なります。
警備員の所有する資格や警備の種類によっても変わるため、給与の計算そのものが複雑になってしまうのです。
そのほかにも、警備業の給与管理が大変になる要因は大きく4つ挙げられます。
ここではその4つの要因について考えてみましょう。
支払いのタイミングが異なる
多くの企業では給与は毎月1回、まとめて支払われるのが一般的ですが、警備業の場合は支払いのタイミングが隊員ごとに異なるケースがほとんどです。
警備の仕事は、ほかの仕事との掛け持ちや短期の仕事として選ぶ人も多いため、日払いや週払いを採用している会社も少なくないでしょう。
近年では、警備員数の増加に伴って警備各社の雇用獲得が激しくなっているといった背景もあり、他社との差別化を図るため前払い制度を採用している会社もあります。
このような支払い方法の多様化は、自分の都合に合ったタイミングで給与を受け取ることができるため、働く人にとってはお金の管理がしやすく嬉しいものです。
その一方で警備会社の管理担当者にとっては、隊員の支払い日を個別に管理しなければなりません。
また勤務実績のうち、いくら支払われて残金がいくらあるのかといったことまで把握する必要が出てくるため、給与管理の手間が増えてしまうのです。
現金払いで手間が発生
かつては給与は毎月手渡しが主流でしたが、現在では金融機関の口座へ振り込む方法が一般的です。
警備業でも振り込みで給与支給を行っているケースが多いかと思いますが、今でも手渡しで給与支給を行っている警備会社もあるでしょう。
手渡しの現金払いは働いた分のお金をすぐに受け取ることができるため、特に短期採用の隊員からは人気の高い支払い方法です。
しかし支払う側としては、お金を直接扱うことにリスクも伴いますし、さまざまな手間も発生してしまいます。
紛失や盗難が起きないように細心の注意を払って管理しなくてはなりませんし、給与明細の内容とあわせて、記載の金額と現金の数が合っているかなど二重三重の確認が必要です。
給与の仕分けや封入、警備員から受領のサインを受け取るといった作業も発生するため、手渡しする給与の数が多いほど手間がかかり、ほかの業務を圧迫してしまいます。
給与明細の郵送に時間がかかる
給与明細の交付は、労働基準法では交付義務は記載されていませんが、所得税法第231条によって支払明細書の交付が義務付けられています。
この給与明細の交付も、郵送で行う場合は手渡し以上に手間と時間がかかるため、給与管理を大変にさせる原因の1つです。
隊員ごとの勤務実績、給与、各種手当や保険など、記載の内容に間違いがないよう作成するところまでは手渡しの場合と同じですが、郵送の場合は封入作業が発生します。
給与明細は隊員の個人情報も記載されていますから、情報漏洩防止の観点からも封入作業を行う際は、宛先と明細が異なっていないか確認しながら行わなければなりません。
また所得税法の施行規則第100条において、支払証明書は給与の支払いの際、その支払いを受ける者に交付しなければならないと定められています。
普通郵便で発送する場合、発送してから手元に届くまで早くても1日から2日はかかるでしょう。
何十人分、何百人分もの給与明細を、毎月給与支給日までの限られた時間の中で、配達にかかる日数も踏まえて発行しなくてはならないとなれば、当然作業は膨大になり、管理担当者の負担が増加するのです。
夜勤手当等の計算が面倒
警備会社によって異なるケースもありますが、警備員は基本給のほかにさまざまな手当が加算されます。
この手当の計算も、警備業の給与管理を大変にさせている原因です。
夜間の警備が必要な現場であれば「夜間手当」「深夜手当」が付きますし、現場までの距離に応じた「通勤手当」や「車両手当」が付くケースもあります。
警備業は階級や資格、役職などによっても手当が付きます。
例えば、警備会社に採用されたばかりの警備員は、一定の条件を満たした警備員を除いて、必ず警備業法施行規則で定められた時間数の研修を受けなくてはならず、その期間中は「研修手当」が支給されます。
また警備員の指導を行える警備員指導教育責任者資格を有している場合は、「指導警備員手当」「指導教官手当」が支給されますし、勤務実績を元に審査に合格した警備員に対し支給される「優良警備員手当」などもあります。
これらの手当は警備員にとって給与アップに欠かせない重要な要素ですから、計算にヌケモレがあってはトラブルの元になりかねません。
隊員ごとに異なる手当をすべて正確に把握し管理しなくてはならないため、管理を行う担当者にとっては、手当の計算は面倒なうえに重要度も高く、負担になりやすい業務と言えます。
警備業の給与管理を効率化する方法
警備業の給与管理が大変な理由をお伝えしてきましたが、この管理業務を効率的に行うことが可能になれば、管理担当者の負担を大幅に減らすことができるでしょう。
給与管理の際、最もネックとなるのは支給額の算出作業ではないでしょうか。
基本給の計算に手当の加算、保険や控除額の割り出しなど、パソコンが普及する以前であれば1つ1つ電卓を叩いたりそろばんを弾いたりしていたでしょう。
パソコンが普及した現在では、エクセルなどの表計算ソフトを利用して簡単に計算できるようになりました。
しかしそれも、大元になる計算式が正しくなければエラーになったり誤った結果になったりします。
また管理する数が多くなれば、データを入力するにも時間がかかりますし、データ容量も膨らんで重たくなってしまうため、後から参照したい時に必要なデータを見つけにくくなってしまいます。
ここでは、エクセル管理よりもさらに給与管理を効率化できる方法を2つご紹介します。
給与管理業務を外注する
自社で効率化を図るのが難しい場合、業務そのものを外注するという方法があります。
給与管理業務を外注した場合、毎月の給与計算を行ってくれることに加え、給与の振込作業や税金の納付、年末調整なども任せることができます。
給与の管理業務を外注する1番のメリットは、専門性の高い技術とノウハウを持った外部組織に業務を委託することで、自社の業務を圧迫することなく、高品質な結果を得ることができるという点です。
給与の管理業務は毎月発生する定型業務のため、外注することでルーティンにかかる時間や人材を別のコア業務へ充てられます。
また給与管理に必要な法令に関しても、改正のたびに正確に情報をとらえて対応しなくてはなりませんが、専門的な知識を伴うため、管理担当者だけに任せると負担も大きく対応しきれない場合もあるかもしれません。
外部に委託した場合、法令に関することも給与管理の専門家に任せることができるため、頻繁に行われる法改正にもすばやく正確に対応することが可能です。
給与管理システムを利用する
外部に委託することが難しい場合は、給与管理システムを利用するという方法もあります。
給与管理システムは勤怠データを入力すれば、事前に設定された算出方法と雇用形態などのデータを元に自動計算してくれるため、集計や算出にかかっていた時間を大幅に削減することができます。
またエクセルのような表計算ソフトと違い、複雑な計算式を人が組み立てる必要がありません。
勤怠データの自動取り込みが行えたり、一括管理できたりするシステムの場合、データの転記作業が削減できるため、手作業による人的ミスを減らせます。
そのほかにも給与管理システムを活用することで、法改正にもスムーズに対応できます。
特にクラウド型サービスの場合、法改正による更新作業も自動で行ってくれるため、対応の手間もかかりません。
警備向け給与管理システムがおすすめ
給与管理システムを警備業で取り入れる場合は、警備業向けに特化したシステムの採用がおすすめです。
給与管理システムはさまざまなサービス元から提供されており、給与計算に特化したものから勤務管理・労務管理まで行えるものなどさまざまで、また企業規模によって選ぶべきシステムも異なります。
ここでは警備業向けのシステムがおすすめである理由についてご説明します。
勤怠(シフト)管理機能も充実
警備業と言えば、配置を行ったり上下番の連絡を受けたりといったように、勤怠管理の方法が一般的な企業とは異なります。
そのような特殊な勤怠管理であっても効率的に行える機能を備えているのが、警備業向けの管理システムです。
警備業界では通常の8時間労働とは異なるケースも多いため、勤怠データは給与管理の際の重要な基盤です。
また警備業に特化したシステムであれば、隊員の配置・未配置だけでなく、どの隊員が待機中であるかも確認することができるため、シフト組みや配置業務もスムーズに行えます。
二重配置や過剰勤務といった配置ミスも起きにくくなるため、管制業務を効率的に進められるでしょう。
上下番の入れ替えにもスムーズに対応
エクセルなどで上下番管理を行っている場合、上下番報告が集中する時間帯は電話を受けながらデータチェックを行い、上下番の時刻を入力していないでしょうか。
特に日勤と夜勤が交代する時間帯は、上下番の報告が入り乱れるため、データの入力間違いも起こりやすくなります。
警備業向けに特化した管理システムは、上下番の状況が色別で表示されるなど、ひと目で状況を把握できるような機能が備わっています。
また上下番報告も従来のような電話報告ではなく、メール打刻や管理データに直接アクセスできる報告システムが採用されています。
スマホの操作だけでかんたんに報告が完了するため、電話件数が激減し、報告モレやデータの入力ミス防止に繋がるうえ、警備員と管理担当者の双方の手間を削減できます。
GUARD EXPRESSなら給与・勤怠管理ができる!
給与管理と勤怠管理、どちらも効率的に行いたいとお考えの管理担当者は、ぜひGUARD EXPRESSにご相談ください。
GUARD EXPRESSは給与と勤怠の管理が一括で行える、警備向けの特化型オールインワンシステムです。
支払い機能も充実しており、月払い・週払いはもちろんのこと、日払いや前払いにも対応しています。
特に日払い・前払い機能は、申請後即時に支払いが行われる「リアルタイム給与日払24」「リアルタイム給与前払24」という画期的なFinTechサービスを提供しています。
手渡しの現金払いと変わらないスピード感で給与を受け取ることができるため、他社との差別化にも大いに役立ちます。
警備員向けアプリ「GUARD EXPRESS NEO」をあわせて活用すれば、上下番の報告もアプリ上で完了するうえ、シフト確認やスケジュール申請もかんたんに行えるほか、電子発行した給与・賞与明細をアプリ上で確認することも可能です。
これにより、給与明細の印刷や封入、郵送にかかる作業コスト削減が実現できます。
クラウド型サービスのため、法改正の際も自動ですばやく対応し、いつでも現行の法令に則った給与管理が行えます。
まとめ
毎月の給与支給日は、社会人にとって働いた成果を実感できる大切な日です。
しかし同時に必ず発生する給与業務は、従業員や取引先が増えるほど複雑で手間のかかる作業であり、担当者にとって大きな負担のかかる業務です。
勤怠データと一括管理するだけでもその負担を軽減することができますし、計算ミスやヌケモレの発生による従業員とのトラブルも回避することができます。
勤怠管理が複雑な警備業であっても、警備向けシステムを活用することで、スムーズで効率的な給与管理が可能になります。
ぜひこの機会に、管理システムの利用を検討してみてはいかがでしょうか。